令和4年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
2021年は革新元年の年
今後の新しい成長へと繋げる出発点として、「おしぼりの再発明」を掲げてリ・スタートした2021年を振り返ると、FSXの成長を支える革新元年に位置付けられる年となりました。世界的パンデミックとなった前年から続くコロナ禍の中で、休業や時短といった営業制限を余儀なくされたお得意様の影響から、おしぼりレンタルを中心とした売上高はコロナ以前の5割以下となる危機的な状況となりました。一方で、弊社の特許技術である抗ウイルス『VB(ブイビー)』の異業種企業様への提供・取引は拡大し、さらにVB配合の使い切りポケットおしぼりの需要伸長により、新たなお客様が全国規模で増えています。こうしたことから、デルタ株の影響により昨夏は非常に厳しい状況でありながら、最終的にはコロナ前の水準に到達し、2021年8月期の決算では一定の利益を確保する事が出来ました。これまで取り組んできた経営戦略の守りと攻めの両輪が功を奏し、一段と強い組織になった事で、制限が緩和された直近の足元では、単月として過去最高売上を大きく更新しています。これも常日頃よりFSXの活動を応援して頂いている、多くのステークホルダーの皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。
2021年のトピックスは大きく6つ、1.シンジケートローン及び資本性劣後ローン協調融資の締結、 2. FSX富士の進展、3. 沖縄那覇物流センター開設、4.人事教育制度構築、5.特許技術おしぼりAIの開発、6.VBの抗老化作用の実証、と挙げられます。順番に見ていきますと、シンジケートローン及び資本性劣後ローン協調融資の締結により、長年の課題であった財務の健全性と安定性が大きく向上し、長期に渡る抜本的な財務基盤の強化を図る事が出来ました。2020年に進出した富士北麓エリアにおけるFSX富士の事業は、観光産業が厳しい中でも、新しいサービスや地域貢献を軸に発展させる事ができています。さらに今後の観光産業の事業展開を見据え、沖縄の物流コスト課題を解決するために、5月には那覇物流センターを開設し、沖縄県内の宿泊施設等を中心に営業活動を開始しています。人事教育については、2020年より取り組んでいる次代のFSXを創る新人事制度に続き、昨年はさらに教育制度構築の取り組みを開始致しました。そして2021年のメイントピックスとしては、FSXのビジョンである「おしぼりの再発明」のもと、1年以上にわたって取り組んできた、おしぼりAIの開発と、VBの抗老化作用の実証が挙げられます。映像解析技術を用いておしぼりの回収数を予測する『おしぼりAI』アプリは、おしぼり業界全体の長年の課題を解決するだけでなく、システム基盤と組み合わせることで、製造原価や作業負担の効果的な削減も期待できます。そしてVBの抗老化作用の実証は、特許出願に続いて、昨年末には学術ジャーナルに採択されました。肌に触れるおしぼりの価値は、ヘルスサイエンス領域まで広がり、今後の新しい事業展開や商品開発に向けて、大きな可能性を示すことができました。
2022年は全力前進の年。
突発的で避けられない社会的リスクを否応なしに突きつけられた2年間でしたが、この間の学びからニューノーマル時代にも力強く対応するために、FSX固有の革新的な技術をコアとし、2022年は全力前進で進んでまいります。
具体的には、「おしぼりの再発明」に基づいた2つの技術「おしぼりAI」「VBの抗老化」を、本格的にサービスや製品に落とし込んでまいります。おしぼり業界は少子高齢化の影響を大きく受ける産業です。おしぼりAIにより労働生産性の向上を図ることで、高付加価値を生み出す産業基盤を整え、産業内のDX推進に寄与できるよう、引き続き開発を進めてまいります。またおしぼりの価値を本質的に上げるために、今後は手指衛生としての抗ウイルス『VB』に止まらず、さらに一歩進んだ “肌”に注目し、新たな抗老化作用による技術ブランドの確立を目指します。また、観光市場を念頭にした製品の企画開発、国内外を視野に入れた許認可や製造ラインの確立に動いてまいります。引き続きFSXオリジナルの人事教育制度に取り組み、先行きが不透明で予測が困難な時代にも対応できる強い組織を目指して、1人でも多くの人財を育てるための制度革新を進めてまいります。
21世紀は生命科学の時代と言われています。FSXを代表する技術・製品ブランドである『VB』『REION』『ポケットおしぼり』を筆頭に、新たにヘルスサイエンス領域での事業活動を力強く推し進め、日本伝統のおもてなし文化である“おしぼり”の価値を高める挑戦を続けてまいります。FSXが掲げている企業スタンス“共生“を軸に、健康、環境、文化といった概念をより事業軸で進化させ、自社及びおしぼり産業全体の持続的成長に繋げていけるよう、全社一丸となって全力前進いたします。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
FSX株式会社
代表取締役社長 兼 最高経営責任者
藤波 克之